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頭痛の分類・症状と治療について

頭痛、片頭痛

日本人の3~4人に1人が頭痛持ちと言われています。

頭痛には脳に明らかな異常が無く基本的に命に関わる事は無い「一次性頭痛」と、脳の異常が原因で生じて来る「二次性頭痛」があります。一次性頭痛の代表は緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛です。また神経痛も頭痛の原因として比較的多いものです。「一次性頭痛」にはそれぞれ下記の様な特徴があります。

緊張型頭痛

頭痛の症状を訴える方の多くが緊張型頭痛です。項部(後頚部)から始まる鈍痛で肩こりを伴う場合も多く、また頭全体が締め付けられる様、と表現される鉢巻き型の頭痛の場合も多くみられます。稀に嘔気と訴える事はあるものの、嘔吐は伴いません。朝よりも午後や夕方から生じる事が多く、運動や入浴で軽減する特徴があります。精神的・身体的ストレスや筋肉の緊張異常などが複雑に絡み合っておこる頭痛と考えられ、イブプロフェンなどの NSAIDs、解熱鎮痛薬、抗炎症薬、筋弛緩薬(きんしかんやく)、抗不安薬、抗鬱薬、漢方薬の服用による治療や、ストレッチなどの運動による治療等があります。

片頭痛

男性よりも女性の方が3-4倍多く、特に20代から40代の女性に多い事が分かっています。その理由として女性ホルモンの関与が考えられ、生理に伴い頭痛が悪化する「月経前症候群(PMS)」として知られています。片頭痛は未明からの強い拍動性(ズキズキする)頭痛で起こる事も多く、嘔気嘔吐をともない、ストレスから解放された時や休みの日に起こる事が多くみられます。家事や仕事といった通常の活動でも頭痛が悪化する為、日常生活や社会生活に支障を来す事も少なくありません。しかし反面、医療機関の受診率は低い事が指摘されています。片頭痛には特効薬が有り、また予防薬としても種々のものが知られており、更に最近画期的な予防薬(注射製剤)も発売されております。まずは当クリニックなどに相談頂き、治療をスタートしましょう。

群発頭痛

頻度は稀で片頭痛と違い男性に多く、1回の頭痛(発作)の持続時間は15分から180分とされ比較的短時間ですが、頭痛症状は激烈で「えぐられる様な」痛みとされます。頭痛(発作)に伴って落ち着きが無く興奮する様な症状や、流涙や鼻閉鼻汁などを伴う事があります。20代から40代に多いとされ、季節の変わり目などの時期に集中的に発症する「群発」タイプと、時期に無関係に1年以上頭痛(発作)が続く「慢性」タイプがあります。内服では効果は得難く、頓挫にはスマトリプタン注射や酸素吸入を行ないます。

神経痛

頭にも神経痛が生じます。最も多いのは後頭神経痛で、項部(うなじ)~後頭部に一瞬の「チクッ」とする痛みが不規則な時間間隔で繰返し、頭頂部へ拡がる特徴があります。部位としては耳の後ろや側頭部に生じる事もあります。基本的には頭皮の知覚神経の痛みで、多くは1週間程度で自然に改善する事が多いものです。時に「帯状疱疹」が頭皮に生じる事で発疹が出て来る前に似た様な痛みを来す場合があり、「帯状疱疹後神経痛」を予防する為には早期の診断・治療が必要です。三叉神経痛(俗に言う顔面神経痛)は、頭痛というよりも片側の顔面(多くは口あるいは眼の周囲など)の瞬間的「激痛」で、歯磨きや食事の際に余りの激痛の為に動作が止まる程です。これらの神経痛には通常の「痛み止め」はほぼ無効で、痙攣止めの「抗てんかん薬」の一部が良く効きます(帯状疱疹はまた治療方法が異なります)。

二次性頭痛は脳の器質的異常、即ち頭部CTやMRI-MRAなどの画像検査や髄液の検査などで頭痛の原因となる病変や病態が判明する様なタイプの頭痛です。早期に診断し治療をしないと命にかかわる可能性もある「危険な頭痛」と言えます。代表的なものとしては、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、髄膜炎・脳炎などがあります。緊急性がある場合には検査に時間をかけず速やかに高次医療機関へ搬送する必要があります。

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