しびれは、感覚の神経が末梢部分から大脳に至るまでの経路の途中で何らかの原因によって障害が生じて起こってきます。日常的には正座などで脚の感覚神経が圧迫されて一時的に起こる｢しびれ｣は誰でも経験するものですが、脳や脊髄の疾患に由来する場合も有ります。脳卒中(脳血管障害)で生じる場合も有りますが、脳卒中では多くの場合、運動障害(運動神経麻痺)やその他の神経症状を伴います。脊椎脊髄が原因の場合も有り、これは例えば椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、後縦靭帯骨化症などが挙げられます。この場合、脳が原因と考えられる場合も含めてCTやMRIなどの画像検査を行います。またこれらよりももっと手足の末梢側での障害、すなわち｢末梢神経障害｣に由来する場合もあり、例えば手根管症候群や帯状疱疹によるもの、糖尿病やビタミン欠乏、アルコール多飲等で生じるものなどが挙げられます。
しびれを起こす疾患は様々ですが、脳血管障害やその他準緊急対応を要するもの、整形外科的治療を要するもの、或いは悪性腫瘍の可能性のあるものもあり、普段は起こらないようなしびれを感じた時は、お早めに当院にご相談ください。